ル・コント・オリ

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NOV 2024

 

あらすじ

舞台は1200年ごろのフランスの片田舎にあるフォルムティエの城。フォルムティエ伯爵は部下を引き連れて聖地エルサレムへ十字軍として出征、彼の妹で貞淑で慈悲深いアデル伯爵夫人は、話し相手のラゴンド夫人、侍女たちと共に彼らの帰りを待っている。聖地エルサレムに出かけなかった貴族の一人が若き伯爵オリーである。彼は教育係の目を盗み、アデル伯爵夫人に言い寄ろうと、隠者に変装して城門の外に住んでいる。そしてその住処で人々の心の悩みを聞いて助言を与え、そのお礼として果物やワインを受け取っている。

 

第1幕

オリー伯爵の腹心で、放蕩仲間である騎士ランボーは、隠者の関心を引こうと躍起になって群がってくる村娘たちや農夫たちをさばくのに苦労している。しかつめらしい侍女頭のラゴンド夫人がやってくる。ラゴンドは、十字軍に遠征に参加した兄弟の帰りを今か今かと待ちわびている。ラゴンドは人々の群れが楽しげなのに、自分の女主人アデルが沈んでいるのを見かねて、あの隠者にアデル伯爵夫人の相談にも乗ってもらえたらと考える。

 

ねぐらから出てきた隠者(オリー伯爵)は、人々を祝福し、全ての人の望みを叶えよう、娘たちには結婚相手を見つけてあげようとかなり怪しげな説教をする。のだが、ラゴンド夫人は隠者(オリー伯爵)に願い事をする人の列に加わる。隠者はラゴンド夫人の懺悔を聴聞し、アデルをはじめ城の夫人たちが、男たちが十字軍遠征に出かけて留守の間、貞節を護ると誓いを立てたということを聞き出す。隠者は彼女の女主人に会うことを承知するが、自分の住まいで娘たちをもてなす事のほうに興味がありそうである。

オリー伯爵の若い小姓イゾリエは、アデル伯爵夫人に恋焦がれている。イゾリエは、オリー伯爵の教育係と一緒に登場する。教育係は隠者を不審に思って怪訝そうであるが、イゾリエはここ一週間ほど姿を消している自分の主人の居所を探ろうと説得する(アリア「絶えず気配り」)。村人たちと話をし、仕入れた情報から隠者の素性をオリー伯爵であると見破った教育係は、応援を頼みに行く。他方、隠者が自分の主人が変装していることに気づかず、イゾリエは隠者にすっかり心酔し、自分は伯爵夫人に恋をしており、巡礼の尼僧に変装して城に忍び込むつもりだと打ち明けてしまう(二重唱「さる高貴な生まれの貴婦人が」)。隠者はイゾリエに手を貸すと約束するが、その計画を自分のために利用しようと密かに心に決める。

 

アデル伯爵夫人がやって来て、沈みがちな気持ちを訴えると(アリア「悲しみの餌食となり」)、隠者は恋こそが貴方の心の癒しだと処方する。この助言にはっとした彼女は、すぐにその気になり、イゾリエに自分の気持ちを打ち明けようと考える。隠者は、あの小姓イゾリエは女たらしのオリー伯爵に仕えているので危険だと忠告する。隠者(オリー伯爵)が伯爵夫人にうまく接近出来かけたとき、教育係が入ってきて隠者の化けの皮をはぐ。アデル伯爵夫人もイゾリエも、彼の正体を知って恐れ戦くと共に自分を恥じる。2日後に十字軍が帰還すると聞いて、オリー伯爵はその到着の前に、もう一度城に侵入しようと計画を立てる(フィナーレ「まさかのこと…ああ、恐ろしいこと、悲痛の極みよ。」)。

 

第2幕

伯爵夫人と侍女たちが、変装したオリー伯爵の噂をし、縫い物で気持ちを静めようとしている。突然嵐になり、城の外から女巡礼の一団(実は尼僧に扮したオリー伯爵とその部下たち)の悲鳴が聞こえてくる(嵐の場面「気高い女城主様、私どもの難儀をご覧ください」)。女巡礼たちは、オリー伯爵に追われているので匿ってほしいと訴える。伯爵夫人は女巡礼たちを中にいれる。女巡礼の一人が、伯爵夫人に直接礼を述べたいと言う。その正体は、変装したオリー伯爵で、アデルと二人きりになったとたん、自分の気持ちを抑えられなくなる(二重唱「ああなんという貴方様の高徳への」)。アデル伯爵夫人はミルクと果物をこの「巡礼」の客人にふるまうよう命じて部屋を出て行く。

城の酒蔵に入ったランボーは、ワインを何本も持ち出してつましい食事を盛り上げる(アリア「この人里はなれた」)。誰かが近づくと、酒盛りの騒ぎはすぐに敬虔な聖歌に変わる。

 

イゾリエが登場し、十字軍が真夜中に帰ってくると知らせを持ってくる。ラゴンド夫人から、伯爵夫人が城にお泊めしている「徳の高い方々」にもそれを知らせようと言われたイゾリエは、主人オリー伯爵のやり方をすでに心得ており、女巡礼たちが偽者だと見抜く。アデル伯爵夫人に気に入られたい一心で、イゾリエはオリー伯爵に罠を仕掛ける。オリー伯爵がアデル伯爵夫人のもとに不意に忍び込もうとしたとき、イゾリエはアデル伯爵夫人の寝室の明かりを消して、自分が彼女のベールをかぶり、自分は長椅子の上にいるから貴方は後ろに隠れてくださいとアデル伯爵夫人に言う。暗闇と伯爵夫人の声に惑わされて、オリー伯爵はイゾリエに近寄る(三重唱「この暗い夜に乗じて」)。そこへラッパの音が鳴り響き、十字軍の帰還が伝えられる。イゾリエは正体を現わし、アデル伯爵夫人の手を借りながら、打ちのめされたオリー伯爵をこっそり外へと逃がす。

そして十字軍の騎士たちが人々に迎えられ、賛美の歌が歌われる(終曲「栄光あれ、勝利した子らに。」)。

プログラムとキャスト

フランス語で歌われ、フランス語の字幕が付きます
稼働時間約2時間50分

 

シリル・デュボワ |オリー伯爵
サラ・ブランチ |アデル伯爵夫人
アンブロワジーヌ ブレ |イソリエ
モニカ・バチェッリ |ラゴンド
ニコラ・ウリヴィエリ |家庭教師
セルジオ ビジェガス ガルバン |ランボー
マリルー ジャカード |アリス

 

パトリック・ラング |方向
パリ室内管弦楽団
ルーアン シャンブル クール|フレデリック・ピノー監督

シャンゼリゼ劇場

シャンゼリゼ劇場
 

シャンゼリゼ劇場は、フランスのパリ8区にある劇場で、アールヌーボー建築の代表作といわれています。名前はシャンゼリゼですが、シャンゼリゼ通りではなく、モンテニュ通りにあります。
オーギュスト・ペレが設計し、アントワーヌ・ブール出る、モーリス・ドニ、エドゥワール・ヴゥイヤール、グザヴィェ・ルセルが美術担当し、1913年に完成します。

ジャーナリストで興行主であったガブリエル・アストゥリュクにより、オペラ座のような伝統的な劇場に対抗して、新時代の劇場にふさわしい現代的な作品を上演する事が提案されました。それに従い、バレエ・リュス(ロシア・バレエ団)を迎えて最初のシー人に備える事となりました。そのシーズンにクロード・ドビュッシーの「遊戯」(5月15日)、ストラビンスキーの「春の祭典」(5月29日)の初演が行われました。

当初私的な劇場として発足しましたが、劇場主のアストリュクは破産、1970年からケス・デ・デポがスポンサーとなりました。

シャンゼリゼ劇場は現在、オペラが年に3回公演されます。オーケストラピットの大きさの都合でバロック時代の作品や小管弦楽団のための作品が上演される事が多い。

フランス国立管弦楽団とラムルー管弦楽団の2つの管弦楽団がシャンゼリゼ劇場を本拠地としているほか、ウィーンフィルハーモニー管弦楽団もフランスでの活動拠点としています。

フランス放送フィルハーモニー管弦楽団、パリ室内管弦楽団なども、シャンゼリゼ劇場でコンサートを行う事が多い。

そのほか、舞踏、室内楽、リサイタル、ポピュラー音楽などのイベントでも使用されています。

 

 

シャンゼリゼ劇場へのアクセス: 

 
地下鉄:アルマ·マルソー(9行目)、フランクリンD.Roosevelt(1行目)、ポン·ドゥアルマ(RERのC線) 
バス:N°42、63、72、80、92 
タクシー乗り場:場所アルマ、大通りジョージVのコーナー 
 

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