ルサルカ

上演時間: 3時間35分（2回の休憩あり）
言語: チェコ語
字幕: フランス語 / 英語

構成:
第一部: 60分
休憩: 35分
第二部: 45分
休憩: 20分
第三部: 55分
終演

概要:
湖の冷たい水から生まれた水の妖精ルサルカは、愛する王子のために人間になりたいと願う。彼女を助けようとする魔女は、この変身には大きな代償が伴うと警告する。それは、声を失うこと、そしてもし愛する人に拒まれた場合、永遠の呪いを受けることである。

アンデルセンの人魚姫に部分的に着想を得たアントニン・ドヴォルザークのオペラは、1901年にプラハで初演された。煌めく月光のような美しいオーケストレーションが、幻想的な雰囲気を生み出している。

ロベール・カーセンは、水面や夢の鏡のような視覚効果を駆使し、幻想的な舞台を創り出す。これは、自然の摂理に反した変容がもたらす悲劇を描いた作品である。

あらすじ

第1幕

ルサルカは、森の奥にある湖に住む水の精。ある日人間の王子に恋をし、魔法使いイェジババに人間の姿に変えてもらう。ただし、人間の姿の間はしゃべれないこと、恋人が裏切った時にはその男とともに水底に沈む、というのがその条件であった。美しい娘になったルサルカを見た王子は、彼女を城に連れて帰り、結婚する。

第2幕

結婚の祝宴でも口をきかないルサルカを、冷たい女だと不満に思った王子は、祝宴にやってきた外国の王女に心を移してしまう。祝宴の中、居場所をなくしたルサルカが庭へ出ると、水の精によって池の中に連れ込まれてしまう。王子は恐怖のあまり、王女に助けを求めるが、王女は逃げ去る。

第3幕

森の湖へ移されたルサルカに魔法使いは、元の姿に戻すには裏切った男の血が必要だと語り、ナイフを渡す。ルサルカは王子を殺すことはできないとナイフを捨ててしまう。ルサルカを探して王子が湖にやってくる。そこで彼は妖精たちから自分の罪を聞かされ、絶望的にルサルカを呼ぶ。王子はルサルカに抱擁と口づけを求める。それは王子に死をもたらすのだとルサルカは拒むが、王子は「この口づけこそ喜び、幸いのうちに私は死ぬ」と答える。ルサルカはもはや逆らうことをやめ、王子を抱いて口づけ、暗い水底へと沈んでゆく。

プログラムとキャスト

三幕のオペラ (1901年)

制作チーム

アントニン・ドヴォルザーク: 音楽 (1841‑1904)
ヤロスラフ・クヴァピル: 台本
大野和士: 指揮
ロバート・カーセン: 演出・照明
マイケル・レヴィン: 舞台美術・衣装
ピーター・ヴァン・プラート: 照明デザイン
フィリップ・ジロドー: 振付
アレッサンドロ・ディ・ステファノ: 合唱指揮

キャスト

ニコール・カー: ルサルカ
セルゲイ・スコロホドフ: 王子
エカテリーナ・グバノワ: 異国の王女
アリサ・コロソヴァ: 異国の王女 (5月11日, 20日)
ドミトリー・イヴァシチェンコ: 湖の精霊
ジェイミー・バートン: イェジババ
フローレント・ムビア: 猟師、狩人
セライ・ピナル: 台所の少年
マルガリータ・ポロンスカヤ: 第一の森の妖精
マリア・ヴァレンベルク: 第二の森の妖精
ノア・バイナート: 第三の森の妖精

オペラ・ナショナル・ド・パリ管弦楽団＆合唱団
ウィーン国立歌劇場との共同制作